歯の価値について
院長の戸川です。皆様、明けましておめでとうございます。今年もエール歯科医院をよろしくお願いします。
今年は、来院される患者さんに、昨年以上に治療後のお口の健康を維持するためには何が大切なのかを医院ぐるみで分かりやすくお伝えしていこうと思っています。
予防、予防とはいっても歯ブラシやフッ素だけでは虫歯や歯周病は予防できません。生活習慣や嗜好品、お口の中の状態、抵抗力(免疫)も踏まえたリスクを患者さんごとに判断していかなければ真の予防は不可能です。そのために必要な人材が歯科衛生士です。ドクターだけではとても無理。そのために衛生士を増員していく予定です。(ただ、全国的に不足しており、求人を出してもなかなか来ないのが現状です)
アメリカのある会社が全米の国民にたいしてあるアンケートをとったそうです。内容は「あなたの歯の値段はいくらですか?(1本あたり)」というものだったそうです。結果は、一番多かったのが日本円に換算して1本あたり500万円、中には1本数千万の回答もあったそうです。大人の歯は親知らずを除いて28本ですから総額1億4000万円の価値になります。
この結果をどうみるかは各自の価値観によって違うでしょうけど、私は妥当だとおもいます。というよりプライスレス(値段はつけられない)と思います。
歯を失った場合、日本の保険治療でブリッジや義歯が製作できますが、ブリッジは共倒れになる場合が多々あります(他の歯の寿命を縮めます)し、義歯は自分の歯の1/3の力でしか噛めず、食べ物の感覚・味覚が減少し、大きな義歯になると食事の楽しみが半減してしまいます。自費治療のインプラントは強い力で噛めて、他の歯も守れる優れた治療法ですが、食感は自分の歯には敵いません。
先進国の中で歯に関する価値観(デンタルIQ)は残念なことに日本が最下位です。北欧、欧米諸国に比べるとまだまだ口腔衛生、予防の概念は遅れています。しかしこれは国策(教育)や我々の責任(歯科医療従事者による啓蒙活動)がほとんどなされていなかったからでもあるのです。「8020運動」というキャンペーンが行われていますが、これは80歳の時に自分の歯を20本残そう、というものです。
20本あれば大体のものがかめて食事に不自由しないという根拠からきたものです。
しかし、これは若いうちから着手しないとなかなか達成は難しいのです!
日本の歯科水準は世界でもトップレベルです。技術はあるのだからあとはそれを皆さんに知ってもらう努力を私たちひとりひとりがやっていく必要を感じています。